2021年の製造業界における主要ハイライト
702件
1049件 (2020年)
認可投資総額
RM1,951 億
RM913億 (2020年)
認可プロジェクト件数
74,575件
80,190 件(2020年)
認可プロジェクト件数
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活気ある製造業エコシステム
マレーシアの製造業は、国内経済の変化において重要な役割を演じつづけています。国の輸出高と雇用機会創出に貢献しており、世界的に不透明な状況でもマレーシアの成長を支えてきました。以前から引き続き優先されているのは、付加価値が高く、多様で複雑な製品を製造することです。触媒効果を有するサブセクターである電気および電子(E&E)、機械および設備(M&E)、化学物質および化学製品に、特に重点が置かれます。潜在成長力が高い他の2つのサブセクター、航空宇宙と医療機器も重要分野です。
人材プールの開発とインダストリー4.0 は、マレーシアの製造業にとって引き続き主要な分野です。これらは多数の成熟産業を再活性化し、他の業種に新たな機会を提供します。企業は以下のような方法により、生産性の強化を促されます。すなわち、自動化と革新の加速化、研究開発(R&D)の実施、グリーン生産および持続可能生産の実践、最高の実践を共有するための業界団体の利用です。
インダストリー4WRD –未来を製造する
マレーシアは、第4次産業革命(4IR)の受け入れに向けて準備を進めています。これは、持続可能な成長に必要な雇用を創出しつつ、製造業が引き続き生産性、革新性、人材面で競争力を確実に保持するためです。政府は2018年、製造業および製造関連サービス業のインダストリー4.0への円滑な移行を支援する触媒とするべく、インダストリー4WRDの取り組みを開始しました。
2021年は、自動化の導入を加速化するため、政府は国家経済回復計画(PENJANA)の景気刺激策の一環として、1億リンギットのスマート自動化助成金 (SAG)を、国民経済戦略強化プログラム(PEMERKASA)の一環として5,000万リンギットを設定しました。SAGは中小企業および中堅企業が、製造過程と事業運営において自動化とデジタル化を導入するよう 促すためのものです。MIDAはまた、企業のデジタル技術導入の加速化を支援し円滑化するとともに、国のデジタル経済推進への触媒になろうとしています。その取り組みのひとつが、 Industry4WRD(インダストリー・フォワード) 介入基金で、インダストリー 4.0受け入れのための製造業および関連サービス業における中小企業に対する金融支援策です。
マレーシア政府は今後、企業によるデジタル事業モデルの導入が増加することを予想しています。自国をデジタル主導の高所得国にし、かつデジタル経済における域内のリーダーに進化させるとのマレーシアの熱望は、MyDIGITAL、すなわちマレーシア・デジタル経済ブループリントの取り組みに示されています。その他の主要な取り組みとしては、国家第4次産業革命(4IR)政策、Industry4WRD、デジタル投資局、全国デジタル・ネットワーク(JENDELA)、ライトハウス・プログラムがあります。これらの目的は、技術利用、労働力の改変、エンド・ツー・エンドのサプライチェーンの調整により、デジタル・トランスフォーメーションを加速させ、製造業の将来へ向けての業界全体の移行を推進することです。
私たちは、人工知能(AI)、ロボット工学、仮想現実、ビッグデータ・アナリシス(BDA)、モノのインターネット(IoT)、ソフトウェア・エンジニアリングなどの4IRを可能にする技術に貢献できる投資家を、引き続き歓迎します。これらの企業による国内プロジェクトの実施を円滑化できる機会を持てることを、MIDAは期待しています。
再び活況な年を迎える
さまざまな逆風が吹いたにもかかわらず、マレーシアの製造業界は年間を通じて粘り強さを発揮しつづけました。たとえば、2021年の第1四半期における、認可済み投資額987億リンギットのうち、 製造業における金額が全体の60.2%にも上る594億リンギットとなりました。同業界への国外直接投資 (FDI)は、全投資額 の89.1%と、引き続き堅調でした。
マレーシアの高い実績とランキングの上昇は、附加価値の高い製造業および世界のサービス業界のハブとして好まれる投資対象であるという同国の競争力の高さを示しており、それを支えるのがアセアン地域における同国の強力なプレゼンスと、パンデミック後に活況を呈している持続可能な経済回復です。
堅調な国外投資
国外投資は引き続き、マレーシアへの資本、技術、知識の移転に貢献しました。パンデミックの影響にもかかわらず、マレーシアの基礎的諸条件は健全さを保っており、質の高い国外直接投資を呼び込んでいます。2021年の新規投資額は1,534億リンギットでしたが、うち外国人投資家による投資が大半を占めました。残りのの417億リンギットは拡張/多角化プロジェクトへの投資でした。
国外投資家は高附加価値のE&E業界に重点的に投資し、その金額はFDI 総額の81.5%に上る1,463億リンギットでした。その他に投資額が大きかった業界は、基礎金属製品 (192億リンギット)、食品製造業 (38億リンギット)、化学薬品および化学製品 (35億リンギット)、科学および計測機器 (20億リンギット)、輸送機器 (12億リンギット)でした。
最も投資額が大きかった国はオランダで、投資額は749億リンギット、次いでシンガポール (466億リンギット)、オーストリア (189億リンギット)、中国(166億リンギット)、日本 (75億リンギット)の順番となりました。2021年の認可済み国外投資のうち1,645 億リンギット (91.6%)を、上記の5か国が占めました。
国内投資も負けずにがんばる
2021年の製造業への投資の大半を占めたのはFDIでしたが、国内直接投資(DDI) もまた、マレーシアの経済成長においてきわめて重要な役割を果たしました。
2021年の製造業への DDI は155 億リンギットで、主たる投資先は新規プロジェクトでした。DDIの対象となった主要3業種は、49億リンギットの投資を集めたゴム製品、次いで化学薬品・化学製品 (23 億リンギット)および E&E (17億リンギット)でした。これらの3業種で認可済み国内投資の57.4%を占めました。それ以外の業種は、投資額の順に食品製造 (16億リンギット)、金属加工品 (12億リンギット)、輸送機器 (9億9,210万リンギット)、M&E (5億7,690万リンギット)、プラスチック製品 (4億8,860万リンギット)、 紙・印刷・出版 (3億2,980万リンギット)、非金属鉱物製品 (3億1,130万リンギット)、基礎金属製品 (2億6,470万リンギット)、家具・備品 (2億340万リンギット)となりました。
製造業部門の政策には、1975年工業調整法 (IICA)に基づく国内企業の法人化、製造業ライセンスの申請などがあります。外国資本の所有権に制限はなく、外国人駐在員の雇用も自由です。製造業部門の政策は、マレーシアへの国外からの投資のための自由な資金の流れを促進するものです。知的財産(IP)権の保護は強力です。法人税率は 24%、個人税率は 0%-30%です。1955年雇用法における最低雇用条件を遵守する必要があります。製造業部門の政策は、労使協調のために責任ある労働組合の設立を奨励しています。政策には、二重課税防止条約や、制御された環境管理方針が含まれます。