雇用条件
マレーシアは、勤勉で、規律正しく、教育を受けた、訓練可能な労働力を、投資家に提供しています。労働市場に参入するマレーシアの若者は、最低11年間の、つまり中等学校レベルの学校教育を修了しているので、新しい技術を訓練することは容易です。さらに、労働力の27％は高等教育を受けています。
製造業における技術的訓練を受けた労働力への高まる需要に対応するため、マレーシア政府は、エンジニア、技能労働者、熟練労働者を増員する政策をとっています。政府は技術職業教育訓練（TVET）に力を入れており、供給される卒業生が産業界の必要条件に合うよう、産業界とTVET提供者が協力できるプラットフォームが提供されています。
さらにマレーシアは、労使関係が良好で調和がとれた、自由で競争力のある労働市場を有しています。政府は、労働市場の要求に対応するため、労働関係の法制度を継続的に見直しています。安定した労使関係を確保するため、スキルアップや技能再教育のプログラムが利用可能です。
工業先進国と比べて、マレーシアの労働コストは、生産性が高いにもかかわらず相対的に低いといえます。生産性に応じた賃金制度、自動化、技能訓練を含む、生産性向上のための、多くのプログラムや促進活動が実行可能です。
労働費用
製造業部門の給与と付加給付は、業種、立地、雇用の規模によって異なります。会社が提供する一般的な休暇としては、年次休暇、祝祭日、病気休暇、入院休暇、産休、忌引休暇などがあります。会社によっては、制服の支給、送迎、奨励給、シフト手当、保険料などを含む付加給付を提供しています。ボーナスは、会社の業績や個人の業績に応じて支給されます。
リクルートの手段
雇用者と求職者は、登録された民間の職業紹介所に加え、ジョブズマレーシア・ポータルに無料で登録できます。同ポータルでは、全国規模で適切な求職者と提供可能な職種をオンラインで検索することができます。全国に約90か所のジョブズマレーシア・センターがあり、これらは都市部のアーバン・トランスフォーメーション・センター（UTC）、農村部のルーラル・トランスフォーメーション・センター（RTC）、労働局にて運営されています。雇用者と求職者はまた、ジョブズマレーシア主催のジョブズ・カーニバルにも招待されます。
労働基準
労働局は、労使協調を維持するために、労働法の執行に対する責任を負います。労働法は、従業員の権利と利益保護のために雇用者が守らなければならない最低限の要件を定めたものです。労働局長に免除申請することにより、事業運営における一定の柔軟性が確保されます。
マレーシアにおける労働関連の主要法は、1955年雇用法です。
| 有給の産休 | 60日 |
| 正規労働時間 | 1日8時間以下、または週48時間以下 |
| 有給祝祭日 | 1暦年のうちに、少なくとも11日の公休日（国家記念日、国王誕生日、連邦直轄区記念日、レイバー・デー、マレーシア・デーの5日間の強制的休日を含む）および1951年休日法8条で定められた任意の休日。 |
従業員有給休暇
| 勤務年数2年未満 | 8日 |
| 2年以上5年未満 | 12日 |
| 5年以上 | 16日 |
*従業員に与えられる最低限の有給休暇
1暦年の有給病気休暇
| 勤務年数2年未満 | 14日 |
| 2年以上5年未満 | 18日 |
| 5年以上 | 22日 |
| 入院が必要な場合 | 最大60日（上記の病気有給休暇相当日を含む） |
*従業員に与えられる最低限の有給の病気休暇
残業時間の賃金
| 通常の勤務日 | 時給の1.5倍 |
| 休日 | 時給の2倍 |
| 祝祭日 | 時給の3倍 |
2016年最低賃金施行令
一般にマレーシアにおける賃金は規制の対象ではなく、市場の需給により決まります。2012年最低賃金施行令では、1955年雇用法第1付帯条項に該当するすべての従業員に支払われるべき最低賃金を規定していました。最低賃金は、諸手当その他の支払いを除いた基本的賃金のことです。最低賃金は半島マレーシアでは1,100リンギット、サバ州、サラワク州、ラブアン連邦直轄地では920リンギットと定められています。この所定金額を下回る賃金の支払いは許されません。すべてのマレーシア人および外国人従業員は、施行令に従い最低賃金を受け取る資格があります。
2012年最低定年法
従業員の最低定年退職年齢は60歳です。同法の付帯条項では、2012年最低定年法が適用されない例外的な個人を定めています。
出所: 人的資源省 – www.mohr.gov.my
