インフラ管理 - MIDA | Malaysian Investment Development Authority
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インフラ管理

インフラ管理

1. 工業用地

1.1 工業団地

マレーシア全土には600を上回る工業団地があります。世界標準のインフラを備え、接続性も優れているため、マレーシアは国民にとっても外国人投資家にとっても最も人気があり、持続可能で貢献度の高い働き場所となっています。

マレーシアでは専門的な工業団地が開発され、特定産業の需要を満たしています。特定産業とは、小規模産業、ハラル産業、ファーニチャー・パーク、バイオテクノロジー・パーク、技術集約型産業、研究開発活動などです。マレーシア半島北部にはクリム・ハイテク・パークとバトゥ・カワン工業団地があり、同国初の完全統合型ハイテク・パークです。i-パーク・ジョホールは、「工業リゾート」というユニークなコンセプトを創生し、ウェストポートのインダ島にあるセランゴール・ハラル・ハブはハラル製品に特化した工業団地です。ショッピングセンター、病院、教育機関、レクリエーション施設を統合したリゾートのような、あるいは産業都市コンセプトと融合した考えに基づく工業団地は、投資家たちをマレーシアに誘引し、同国への投資を促しています。

1.2  自由地域

自由地域は、1990年自由地域法の3(1)条に基づき、財務省が自由商業地域または自由工業地域と認定したマレーシア各地にある地域のことです。この地域は、中継貿易の促進を目的としており、主に輸出用製品の生産や組立を行う製造会社のために特別に設けられました。

自由地域内の活動や産業には、最小限の関税手続きしか課されません。これは1967年税関法2(1A)条により、同地域が、同法31条に基づく輸出入の禁止に関わる場合を除き、主要税関地域外の場所とみなされるためです。

1.3 保税工場

自由工業地域(FIZ)の設置が現実的でないか望ましくない地域では、企業ごとに保税工場(LMW)を設置することができます。保税工場に与えられる便益は、FIZで操業する工場に与えられる便益と同様のものです。

申請資格

LMWに認定される企業の条件は下記の通りです。

  • すべての生産物か、製品の80%以上が輸出されること

  • 原材料やコンポーネントが主として輸入品であること

関税の支払い

2011年1月1日から、FIZに立地する企業とLMWを設置した企業は、下記の条件を満たせば、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の税率と同等の輸入税の免除を得ることができます。

i. 現地調達率が金額ベースで40%以上であること

ii. 現地調達率が40%に満たない場合、FIZ立地企業やLMW設置企業が、生産された最終製品に含まれる原産ではない原料について、定められたメカニズムによる物質転換過程を経ていると証明できれば、免税について考慮されます。

2. 電力供給

マレーシアの電力供給は、適正で高品質な上、安定しており、域内や世界における他の電力供給と互換性があります。

マレーシア西部での電力供給は、国営電力会社であるテナガ・ナショナル(TNB) が行い、サバ州とサラワク州の東マレーシアでは、サバ電力公社(SESB)とサラワク電力供給公社(SESCO)がそれぞれ電力供給しています。

マレーシアでの発電は、主に火力、ガス、水力が混在しています。発電所は、電力会社と独立系発電事業者(IPP)が所有しています。太陽光、小規模水力、バイオガス、バイオマスによる再生可能エネルギーも、マレーシアのグリーン・テクノロジーへの取り組みの一環として奨励されています。

マレーシアの送電電圧は500kV、275 kV、132kVで、配電電圧は 33kV、11kV、400/230Vです。

3. 給水

半島マレーシアおよびラブアン連邦直轄領における上水道とそのサービス業務は、マレーシア連邦政府の管轄となっています。国の水道サービスの質を向上させるため、とくに消費者の権利保護を重点に、2006年 国家上下水道事業委員会法(法律第654号)と、2006年水道サービス産業法(法律第655号)の2つの連邦法の枠組みが、2007年と2008年にそれぞれ施行されました。適切に規制された水道サービスが整備されたことで、水道産業の効率性と長期的な持続可能性を促進するのに役立ち、ひいては消費者、投資家、運営事業者に恩恵をもたらすと思われます。半島マレーシアとラブアン連邦直轄領の消費者は、信頼できる安全な水道の供給を持続的に享受しています。保健省(MOH)は、すべての水道供給事業者が、飲料水の品質に関する世界保健機構(WHO)のガイドラインを遵守するよう、緊密な監視と定期検査を実施しています。家庭用、商業用、工業用のすべての利用者は、水道使用量を計測されます。水道料金は、州によって異なります。

4. 航空貨物施設

東南アジアの中央に位置するマレーシアは、貨物の積み替えセンターとして最適の立地条件を備えています。とくにマレーシア国内にある6つの国際空港の航空貨物取り扱い設備は充実しています。

セランゴール州セパンにあるクアラルンプール国際空港(KLIA)は非常に洗練された空港で、年間4,000万人の旅客と120万トン超の貨物の取り扱い能力を有しています。

 1万ヘクタールの土地を有するKLIAでは、2020年までに年間6,000万人の旅客と300万トンの貨物を、さらに将来は年間1億人の旅客と500万~600万トンの貨物を取り扱えるよう拡張する計画が進行中です。

その他の国際空港としては、ペナン国際空港、ランカウイ国際空港、セナイ国際空港が半島マレーシアにあり、サバ州にはコタキナバル国際空港が、サラワク州にはクチン国際空港があります。

マスカーゴ(MASkargo)は、親会社であるマレーシア航空(MAS)の主要な貨物部門で、定期便とチャーター便の航空貨物サービス、地上取扱いサービス、陸上運送で空港と海港をつなぐ貨物物流を運営しています。

さらにマスカーゴは、MASの航空機が世界6大陸の100か所の国際空港を行き来する際、持株会社の航空機の下部貨物室の収容スペースを、MASおよびその子会社に提供しています。

マスカーゴは、クアラルンプール国際空港の自由商業地域(FCZ)内で、最新鋭の先進貨物センター(ACC)を運営しています。このセンターの特徴は、安全で精巧な保安システムであり、そのために完全自動化手続きなどの最新技術が使われており、リアルタイムのデータ追跡とスムーズな通信を保証しています。センターの設備のなかには、動物用ホテル、ワンストップの生鮮食品センター、主要な運送業者用の世界初の優先事業センター(PBC)があります。

現在、クアラルンプール、ペナン、クチン(マレーシア)から、シドニー、上海、台北、バンコク、香港、マニラ、ジャカルタ、スラバヤ、東京、大阪、フランクフルト、アムステルダム、シャルジャに、定期貨物便サービスを提供しています。マスカーゴは現在、ボーイングB747-400Fを2機と、エアバスA330-200Fを2機の、自社保有の貨物飛行機を運行しています。

最近、マスカーゴは、安全なサプライチェーン・プログラムや貨物の保安強化を目的とした、IATA安全貨物プログラムの認定を受けました。同社はまた、海港積み替えサービスのための世界初の空港であるI-Portを保有しています。このサービスにより、クラン港からKLIAを経由して、海上輸送貨物と航空貨物を迅速に出荷できます。さらに、マスカーゴは、国内における空港間のトラック運送サービスも提供しています。

マレーシアの航空貨物サービスを補うものとして、トランスマイル・エア社が、サバ、サラワク、半島マレーシアにおける6か所の 国内輸送先と、香港とシンガポールの2つの定期国際輸送先にサービスを提供しています。東マレーシアのラブアンおよびビンツルへの国内便は、主に特殊な取扱い設備を必要とする石油ガス産業に対応しています。定期便サービスに加えて、トランスマイル・エア社は、ASEANやアジア太平洋地域へのチャーター便サービスも提供しており、インド、中東、中国への飛行にも対応できます。

マスカーゴの詳細情報については、以下の同社ウェブサイトを参照。www.maskargo.com

5. 海港

マレーシアの港は、連邦港と州港に分類されます。すべての連邦港は、運輸省の管轄下にあります。現在、主要な連邦港は 7つあります。クラン港、ペナン港、ジョホール港、タンジュン・ペレパス港、クアンタン港、ケママン港、ビンツル港です。これらすべての連邦港には、近代的な設備が備わっています。ビンツル港は液化天然ガスを処理できる唯一の港です。

経済と貿易の拡大とともに、国内の港は、近年目覚ましい発展を遂げました。クラン港とタンジュン・ペレパス港の2つの港は、世界のコンテナ港トップ20 に入っています。

海港に関する政府の政策は下記の通りです。

i.  船の待ち時間を無くすため十分な取り扱い能力を海港に備えさせるなど、処理能力の強化。

ii. 以下の手段による港の活用の強化。

  • 港の操業の能率と生産性の向上
  • 港の民営化
  • 補助サービスの開発と向上
  • 陸上運送の開発と向上

iii. 積み荷に特化したクラン港は、国内の荷物センターであり、積み替えセンターとなっています。

一方、タンジュン・ペレパス港は、地域の積み替えハブとして認知されています。

6. 貨物輸送

さまざまな会社が、マレーシアで総合的なコンテナ貨物運送サービスを提供しています。これらのサービスには、コンテナ運送、貨物輸送、倉庫、燃料供給、流通関連サービス、海港通関手続き、コンテナ修理、リース、メンテナンスなどが含まれます。

マレーシアの荷受人やサービスの利用者は、各社の支店や事務所のネットワークを通じて、迅速かつ効率的で、信頼性の高い貨物輸送を利用することが可能です。ほとんどの会社が自社代理店のネットワークを通じた国際サービスを提供しています。

6.1  コンテナ輸送

マレーシア政府は、公共運輸庁を通じて、国内のコンテナ輸送を規制しています。

コンテナ運搬業者が62社あり、特殊仕様車を含む多種多様なトレーラーや原動機などを備え、さまざまな貨物のニーズに応えています。一部の業者は運搬中の車両との連絡を可能にするため、近代的な無線システムを備えています。

その他多数の中小運送業者が、通常貨物を国内の配達先にトラック運送しています。また、鉄道2次輸送サービスが特定目的地への輸送を担い、フレート・ライナー・サービスが遠距離の顧客へコンテナを配送するサービスを提供しています。

このような複数の交通手段(陸路や鉄道)を組み合せた運送システムが、迅速な貨物輸送を可能にしています。

6.2 貨物輸送

数百社の貨物輸送業者がマレーシア国内にあり、全国的な貨物輸送サービスを提供しています。海外向けの貨物輸送は、種々の国際貨物輸送業者に委託することができます。

また、貨物輸送業者は関税局での通関手続きに必要とされる認可、ライセンス、関税免除措置の申請手続きを行うことで、製造企業を支援することができます。

7. 幹線道路

 マレーシア道路公団は、マレーシアの都市間幹線道路の設計、建設、規制、運営、メンテナンスを監督し、実行しています。これらの快適な高速道路網は、すべての主要都市と開発予定地域を結び、効率的な交通を可能にすることによって産業の成長を促進しています。

また、国家による民営化プログラムの成功は力強い経済成長と相まって、過去数年間さらに多くの高速道路開発プロジェクトを生み出してきました。

現在では、南北縦貫高速道路、ペナン橋、クアラルンプール=カラ間高速道路、東海岸高速道路が、マレーシアの道路インフラのバックボーンとなり、国家の急速な社会経済発展に貢献しています。

8. 鉄道サービス

半島マレーシアで操業するマラヤ鉄道(KTMB)は、マレーシア政府が100%所有する国有会社です。国内で最大の輸送機関として、KTMBは穀物から機械まで、さまざまな種類の物品を輸送することができます。

そのネットワークは、マレーシア半島の北部ターミナルであるパダン・ブサールから、南部のジョホール州パシル・グダンにまで及んでいます。さらに北部路線は、ペナンの埠頭や港湾設備と接続されています。

9. MSC マレーシア

MSCマレーシアは、国内デジタル経済の成長を加速させるべく、マレーシア政府が設立しました。MSCマレーシアのステータスは、国内外の情報通信(ICT)企業に対し、持続的成長を促進するための広汎な優遇措置、権利、特権を供与します。1996年の創始以来、MSCマレーシアは同国のデジタル経済を新たな高みへ押し上げる役目を担ってきました。

2,000社を超えてなお増えつづける企業がMSCマレーシア・ステータスを取得しています。このステータスは、同国の多数のIT関連の機関が強く求める地位です。MSCマレーシア・ステータス企業に認知されると、他では得られない優遇措置を受けられ、競争が激しいIT業界において必須となる優位性を手に入れることができます。

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